メソッド単位クローンの消失パターンに基づく分類と考察

常木健介(1751072)


コードクローンとは,ソースコード中に存在する同一または類似した部分をもつコード片のことを指す. 主に,開発者が行うコピーアンドペーストによって生成される.コピーアンドペーストによるコード片の複製は, 欠陥の発生や拡散につながる可能性があるため,コードクローンの存在はソフトウェアの保守性を低下させるひとつの要因であると言われている. そのため,コードクローンがソフトウェア開発に与える影響を分析する必要がある.その手法の一つとして,コードクローンの履歴情報を分析する方法が挙げられる. コードクローンの履歴情報を分析することで,でコードクローンがどのように作成され,どのような変更,削除がされているかのかといった情報を得ることができる. 本研究では,10件のオープンソースプロジェクトを対象としたメソッド単位クローンの履歴情報の解析を行った. コードクローンの履歴途中で消失したクローンセットに着目し,消失原因となった,クローンセット内のクローン片に対して行われた変更パターンから, クローンセット消失パターンを分類し,8つのクローンセット消失パターンを定義したうえで,プロジェクトの分析及び考察を実施した.