信号損失にロバストな切り替え型状態推定と安定化制御

蓼沼 知秀 (1751068)


近年のICTの普及により,信号の通信路に共有ネットワークを用いて制御系を構成するネットワーク化制御系の研究が盛んに行われている.ネットワーク化制御系は導入維持のコストが低い利点がある一方,不規則にデータが欠落するパケットロスが発生する問題がある.パケットロスは制御系の性能の劣化や不安定化を引き起こす.したがって,パケットロスにロバストな制御系の設計手法が必要となる.

本研究では,まず有限のパケットロスに対してロバストな状態オブザーバの設計を行う.複数の外部センサに対しても低い伝送レートを保つため,同時に一つのセンサのみと通信を行う通信プロトコルであるRound-Robin Schedulingに対応したものとする.ただし,これは全てのセンサと同時に通信を行う設計構造を含んでおり,従来の問題設定の拡張となっている.さらに,設計したオブザーバを利用したオブザーバベース制御器の設計を行う.制御器は遠隔にあると仮定し,複数のアクチュエータに制御入力を送信する.このとき,センサ側と同様にRound-Robin Scheduling に対応させる.

ゲイン設計は閉ループ系のダイナミクスを安定化する十分条件となる線形行列不等式(LMI)として導出する.安定条件には切り替え二次Lyapunov関数の存在を利用し,従来法の設計の保守性を改善する.提案手法の有効性は数値シミュレーションにより確認する.