IMUセンサと距離センサを用いたボート競技における漕艇動作の計測と習熟度の定量的評価

木下 勝吏


ボート競技は自然の川や湖で競技を行うことが多く,河岸から遠いため指導者から直接指導を受けながら練習することが困難である.そのため,多くの選手は川岸から撮影したビデオ映像を用いて練習後に指導者から技術指導を受けている.しかし,練習中に指導を受け実践することが運動スキルの獲得において最も効率が良いと報告されている.

本研究では,ボートに取り付けたセンサを用いて選手の漕艇動作を計測するシステムを開発し.ボート競技において漕手の動作を解析することで漕艇技術の評価と向上を実現する. 距離センサとIMU~センサを用いてシート,オールとボート本体の動作を計測する. 計測したデータを用いて,ボート本体に対するオールとシートの運動状態を算出する.

室内ではローイングマシンを用いて,推定される漕艇動作を比較して計測システムの漕艇動作の推定精度を検証する.計測システムを用いて熟練者と初心者において比較実験を行い,提案する三つの評価パラメータで有意性を確認する.また,それらのパラメータを初心者に対して逐次的に聴覚を介して提示することで漕艇技術の変化が見られるか検証する.室外の実練習環境では同様に計測と評価が可能であるか検証する.