時空間データの関係性を柔軟に捉えるためのRNNアテンションモデル
井上 嵩史 (1751009)
近年,都市化が進み世界中の都市部において混雑や遅延が問題となっている.
混雑や遅延の問題の根本的な原因の一つとして挙げられるのは,人々の複雑な移動である.
そこで,人々の移動を予測することが混雑や遅延の問題を克服する上で効果的であると考えられる.
予測値から判断し誘導員を適切な場所に配置したり,適切なタイミングに人々を誘導するための放送を流したりする技術が現状では検討されている.
混雑や遅延を未然に防ぐためには,人々の移動を予測することが必要不可欠であるが,被害の拡大を防ぐためには予測精度を上げなければならない.
先行研究では,Recurrent Neural Network(RNN)にアテンション機構を活用した予測手法が提案されている.
アテンション機構を活用することにより予測精度を向上させたが,時空間データを十分に使い切れていない.
そこで,本研究では時空間データの関係性を柔軟に捉えるためのRNNアテンションモデルを提案する.
提案法は、人口の分布を予測する上で,予測する時系列データとは異なる場所の時系列データも参照することが確認された.
予測結果から予測精度を向上させるためには時空間データの関係性を柔軟に捉えることが有効であることが確認された.