アンドロイドロボットを用いた好感の持てる指し示し動作の生成と年齢・性別による印象の違い

猪川 真琴


今後,ロボット産業はサービス分野の割合が増えると予想されており,人間がロボットと接する機会が増えると考えられる.そのため,ロボットは多くの人に受け入れられる必要があると思われる.多くの人に受け入れられるポイントとして,外観,肌触り,話し方など多数考えられるが,動きに言及している先行研究が存在する.そこで,本研究では,印象に影響を与える要素の一つである動きに着目して,人間に好感を持たれるようなアンドロイドロボットの動作を生成し,動作の好感度について調査する.また,評価者の背景と評価の関連性を調査することで,使用する環境にふさわしい動作を工夫することができ,多くの人が好感を持てるコミュニケーションロボットの開発につながると考えられるため,性別や年齢などの背景と評価の関連を明らかにする.

本研究では,アンドロイドロボットを受付で使用する場面を想定し,動作として「指し示し動作」に着目した.マナーブックに記載されている内容を動作の規範として動作を生成した.上腕と前腕の角度と指し示す物体である紙の位置をパラメータとして8パターンの動作を生成し,印象評価実験を行うことで好感を持たれる動作を検討した.さらに実験結果より,評価者の性別や年齢と好感を持たれた動作との関連性について考察した.