デザインパターン導入に起因するバグの混入調査
吉田 貴信 (1651123)
デザインパターンとは、ソフトウェアの設計上の問題対する解決策である。デザインパターンを利用する事で先人の優れた設計を利用でき、拡張性にすぐれたソフトウェア設計などが可能になると考えられる。
従来研究においては、デザインパターン適用がソフトウェアの品質に及ぼす影響が定量的に調査されている。たとえば、これまでに、デザインパターンを適用したソースコードに対するバグの混入についていくつかの調査が実施されている。これらの研究ではデザインパターンを適用したソースコードにおけるバグの混入率などが調査されてきた。
しかし、あるデザインパターンを適用した際に、ソフトウェアの保守性に具体的にどのような影響が出るのかについては明確になっていない。バグの混入率だけではなく、どのようなバグが混入しやすいかまでが明確になれば、開発者やテスト実施者などにとってデザインパターン適用の検討やテスト時に有益な情報となることが期待できる。
本研究では、ソースコード中でデザインパターンを適用した部分にどのようなバグが混入しているかを明らかにするため、オープンソースソフトウェアを対象としてデザインパターンを適用した部分にあたるソースコードに対するバグ修正履歴を調査し、その傾向を分析した。