本発表ではロボットアームを使用し,容器形状を考慮したスプーンのすくい動作を生成する.まず,容器形状と容器の3次元位置情報を基にロボットアームの逆運動学によるスプーンのなぞり動作を実装する.さらにスプーンによるなぞり動作にスプーンの面の角度制御を組み合わせることによってすくい動作を生成する.本研究では,スプーンの角度制御に必要なパラメータを人間のすくい動作を計測することで特定する. また,動作生成に必要な容器形状はロボットアームのダイレクトティーチングと補間手法を使用して推定する.さらに,容器の位置に合わせたすくい動作を生成するために,容器の3次元位置をRGB-Dセンサによって計測する.
ロボットアームによるすくい取り実験では2つの容器に対してすくい動作を行い,一つの容器では91.7 %,もう一方の容器では81.5 %の量の内容物体をすくい取ることに成功した.また,5種類の対象物体に対してすくい動作を行い,4つの対象物体において78 %以上の量の内容物体のすくい取りに成功した.