奥行き差の補償に基づく形状の類似度を用いたデプスマップの修復

森 剛基 (1651111)


カメラの撮影位置と撮影対象間の奥行距離を表すデプスマップは,現実環境内の物体の3次元モデル化などに利用される. しかし,3次元モデル化の仮想化対象となる物体とカメラの間に木や電柱などの遮蔽物が存在する場合,対象物体の一部がオクルージョンにより計測されないため,対象の完全な3次元モデルを生成するには,取得したデプスマップ上から遮蔽物を取り除いた後,欠損領域を埋める修復処理が必要となる. 従来,デプスマップ内の欠損領域の修復に関しては,欠損の周囲から類似したデプスパッチを探索しそれを合成するパッチベースの修復手法が提案されているが,三次元空間では類似形状であるにも関わらずデプスマップ上では奥行き値の差により類似形状とはみなされず,そのようなパターンが有効に利用できないという問題があった. 本研究ではこの問題に対して,奥行きの差を補償した類似形状の探索によりデプスマップの修復を行う手法を提案する. 提案手法ではパッチ内の奥行き値を相対的な値として保持し,欠損領域を含むパッチと類似したデプスパッチをデプスマップ全体から探索したのち,そのパッチの奥行き値に基づき欠損領域内の最適な奥行き値を算出することで修復を行う. 本発表では,提案手法の当該分野における位置付けを述べ,提案手法の詳細を説明するとともに,従来手法のパッチベースの手法との比較実験でデプスマップ修復の品質が向上したことを報告する.