継続的な対話意欲を高めるテレビ視聴型雑談ロボットのための発話文評価法

向井田 一平 (1651107)


本研究では,テレビ視聴型雑談ロボットを用いてユーザの対話意欲を高めるロボットの発話文の評価法を提案する. ロボットの発話がユーザの対話意欲に与える影響が明らかになっていないため,まずロボットの発話を受けてユーザが感じた対話意欲の変化を主観評価する. 収集した対話意欲の評価データを用いてユーザ対話意欲モデルを作成し,発話文がユーザの対話意欲に与える影響を推定する. このユーザ対話意欲モデルの推定精度を明らかにするために,スポーツとニュースの2 種類のテレビ番組に対して発話文と9~40 名の被験者からの対話意欲評価を収集し,K-fold クロスバリデーションに基づいて、モデルの推定精度を評価する実験を実施する. 実験の結果,スポーツでは平均二乗誤差0.029,ニュースでは平均二乗誤差0.072 の精度で対話意欲評価を推定できることを示す. 推定結果から,ユーザのテレビ番組への興味度合いの違いが対話意欲への与える影響について考察する. 被験者が回答したアンケートから対話意欲に影響する発話文の傾向についても述べる. これらの実験結果から,ユーザ対話意欲モデルを用いてロボットの発話文を評価し,ロボットがユーザの対話意欲を高める発話文を選択可能であると明らかになった.