徒歩移動を含むオンデマンドバスルートスケジューリング

政野 博紀 (1651097)


近年,オンデマンドバスは交通空白地域の移動手段や,自動運転を用いた公共交通として注目を集めている. しかし,デマンドバスはユーザの送迎のために迂回が必要で,現状の多くのデマンドバスで採算性が確保されていない. 本研究ではデマンドバス事業者の負担軽減を目的とし,徒歩移動を含むオンデマンドバスのスケジューリングを提案する. 従来は1組の乗降するバス停や乗降地点をユーザが選んでいたことに対し,提案手法は他の乗客の予約やバスの現在地に合わせて最適な乗降地点を動的に計算し,乗客の出発地・目的地と乗降地点間の徒歩経路を案内する. これにより,デマンドバスの迂回を削減し,限られた時間制約の範囲内で多くのユーザを輸送することでデマンドバス事業者の収益を増加させる. シミュレーションによる評価実験で従来のフルデマンド式およびセミデマンド式のデマンドバス,タクシーとの事業者収益の比較を行った結果,提案手法は比較対象と同等またはそれ以下のバスの走行で,より多くのユーザを受理することできた. 提案手法の収益は,塊村や散村の場合平均で,フルデマンド式と比較した場合約33--40%,セミデマンド式と比較した場合約18--100%増加した.