ステレオ腹腔鏡画像における術具領域セグメンテーション及び術具先端の三次元位置推定

中谷 聡志 (1651081)


腹腔鏡下手術は,開腹手術と比べて低侵襲であるが,高度な専門性を必要とする.そのため,手術映像内容の自動認識が期待されている.本研究では,ステレオ内視鏡画像中の術具先端の三次元位置推定を目的とする.提案法では,ステレオ内視鏡画像より視差画像を取得し,術具領域のセグメンテーション及び三次元位置の推定に用いる.これにより,光学式トラッカーや三次元形状モデル無しで三次元先端位置推定が可能である.実験では,35 症例の手術映像を用いて術具領域のセグメンテーション及び定量評価を行った.また,模擬手術動画に対して術具先端の三次元位置を提案法により推定し,光学式トラッカーでの取得結果と比較することで定量評価を行った.その結果,セグメンテーションにおける平均Dice係数は0.855であり,三次元先端位置推定結果の奥行方向の平均誤差は10.16 ± 13.09 [mm],中央値は4.00 [mm]であった