2方向X線透視動画像を用いた2D-3D レジストレーションによる前腕回旋動態解析

天満 勇介(1651076)


整形外科領域において,定量化のための骨の運動の解析し, その動きを知ること は治療手法の改善のために必要不可欠である. 特に前腕骨においては橈骨と尺骨の 回内運動と回外運動の三次元動態が その解剖学的機能を明らかにする上で極めて重要な役割を果たしていると考えられている. そのため CT,MRI,X 線透視画像を用いて最大回外から最大回内へ運動する際の回旋軸を解析し,評価する研究が行われてきた. しかしこれらの研究は一部を除き静止状態を対象とした解析に限られて きたために急激な姿勢変化を伴う 脱臼症例に適用できないという問題点が存在していた.

よって,本研究は急激な動きの変化を含む橈尺骨の動態の解析とその精度検証を目的とした. そのため,本研究では二方向 X 線装置を用いた 2D-3Dレジストレーションによる動態解析手法を提案する. 提案法で用いている 2D-3Dレジストレーションは,X線透視画像とCT画像を用いてX線動画像と擬似X線画像 (DRR 画像) の 類似度を最大化することによって,複数の骨の剛体変換パラメータを同時に最適化する手法である.

本研究では樹脂製模型骨を撮影した実験,軟部組織付き模型骨を撮影した実験,遺体標本を撮影した実験の3つの撮影実験と 前腕骨の回旋胴体解析を目的とした健常ボランティアを撮影した実験,患者を撮影した実験の2つの臨床画像を用いた実験の 合計5つの撮影実験を実施し,前腕骨の動態の解析とその精度検証を行なった.