光線時空間の演算によるリフォーカシングとリパンニングの実現

津田 香林(1651071)


本研究では光線空間におけるイメージング「合成開口」と「リフォーカス」を時間情報に拡張した光線時空間と光線時空間におけるイメージング「合成撮像」を提案する. そのために,時間情報を変数として持つ光線の集合を光線時間と定義し,「合成開口」と「リフォーカス」に対応する「合成露光」と「リパンニン グ」を提案する. 光線空間によるイメージングは,多視点からの画像を平行移動し,積分することにより,撮影後のボケ量の変更や焦点ボケの対象を変更を可能にしているが,時間情報に左右される被写体ブレには対応できなかった. 提案手法では光線空間に時間情報を加えた光線時空間を定義し,光線時空間中の光線の平行移動と積分によって,ボケとブレを同時に操作できる統一的枠組みとして,新たなイメージングである合成撮像を示す. また,光線時空間に着手するにあたり,光線時間を使用したイメージングとして,撮影後にブレ量を変更する「合成露光」と被写体ブレの対象を変更できる「リパンニング」を光線時間における光線の平行移動と積分により実現する. 実験では様々な深度や速度の物体に対して合成撮像を行い,提案手法にて焦点ボケと被写体ブレを操統一的枠組みとして同時に操作できることを示す.