そこで本研究では,被災直後から複数の避難所へ多品目の物資を的確に配送するためのロジスティクス・モデルを提案する.提案モデルでは前述の問題を解決するため,複数品目の物資や配送トラックを配送拠点間で振り分ける「リバランシング」を行う.また,各避難所からの物資の需要に対する充足率の偏りを軽減するため,全避難所の充足率の平均(平均充足率)ではなく,Softmin関数から得る値を評価値として,最適化手法を用いて配送ルートのスケジューリングを行う.本論文では最適化手法として遺伝アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)を用い,シミュレーションによる他手法との比較結果から,平均充足率の低下を抑えつつ,各避難所の充足率の最低値(最低充足率)が上昇するのを確認した.