題目
鈴木 裕貴 (1651065)
集合住宅において近所付き合いの低下により騒音などの住民間のトラブルや高齢者を含む社会的孤立化などの問題を 住民によって解決できなくなっている. そこで本研究では集合住宅の共用部分を想定し,半公共空間において日常的な短時間対話で利用者と親密な関係を築き, 自己開示を促して悩みや不満を聞き出せるロボットの実現を目的とする. 本研究での半公共空間とは特定多数の人しか通らない環境であり, 日常的とは毎日一回程度の対話を継続的に行うことであり,短時間対話とはあいさつと1~2回のやり取りすることである.
また,人同士の関係における親密さと自己開示の内容の深さの研究の結果から自己開示内容による親密さのレベルを定義した. 親密さのレベルの初期段階に達することを目的として, 個人認識の明示に着目し,名前を呼ぶ挨拶と名前を呼ばない挨拶でロボットの挨拶への返答の有無を比較した実験を行った. そして,定義した親密さのレベルに基づいて徐々により深い自己開示を促す質問を行うロボットを実装して実験を行い, ロボットが行った質問への被験者の回答の有無と被験者の様子を観察して評価した.