自然言語処理を用いた認知症スクリーニング

柴田大作 (1651059)


我が国における急激な高齢化に伴い,認知症高齢者の数が増加している. 認知症にはその治療が困難な症状があり,早期にスクリーニングを行い,セラピー治療などにより,その進行を遅らせることが重要である. 認知症のスクリーニング手法としては,PETやMRIによる画像診断,Mini Mental State Examination (MMSE)による認知機能検査などが存在する.これらの手法はスクリーニングの精度は高いが,身体的侵襲や長時間の拘束が必要で,高齢者に負担を強いるものとなっている.そこで近年,言語能力に着目した認知症のスクリーニングが注目されている.認知症になると言語能力が低下することに着目し,言語能力を測定することでスクリーニングを実現するものである.これは既存手法と比較した場合に,精度は下がるが,身体的侵襲や長時間の拘束を必要とせず,また日常で手軽に測定が可能である.認知症では語彙量などが低下することが指摘されているが,発話の内容に踏み込んだ分析は十分になされていない. そこで本研究では発話の質的な観点を考慮した認知症のスクリーニングを行う.質的な分析を行うために先行研究で使用された言語リソース Linguistic Inquiry and Word Countの日本語化に加え,クラウドソーシングにより人々の感情表現を収集し,分析することで大規模な日本語の感情表現辞書を開発を行った.また,英語で幅広く使用されている言語能力指標である意味密度の日本語化を行い,日本語における意味密度の算出方法を確立した.これらを用いて,発話の質的な分析を行い,認知症のスクリーニングを実現する.

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