モンテカルロシミュレーションによる時間軸方向に注目した半透明物体の光伝播の解析

佐藤祐紀 (1651054)


コンピュータビジョンやコンピュータグラフィックス分野の多くの研究では光の速度は無限であると仮定されていた.しかし、超高速撮影技術等の発達により、光の伝播を撮影することができるようになった. そのため,現象の理解や予測を助けるために時間的な光伝播の効果的なシミュレーションおよび分析に関する研究がされ始めている.研究では,半透明物体内の時間的な光伝播の可視化と解析を行う。 特に半透明物体内では散乱が起こるため、光路の時間的な解析が容易ではないが,半透明物体は実世界に多く存在する物体の一つであるため,光伝播の現象を可視化,解析することは,現象を理解するにあたって重要なことであると考えられる.本半透明物体の内部における光伝播を解析するため,フォトンの経路をモンテカルロ法でシミュレーションし,その結果から時間幅を拡張した光伝播の様子を可視化する.半透明物体として牛乳とコーヒーを対象とし,時間的遷移を解析した.