NAIST-IS-MT1651048: Komaki Masako

農作業負荷軽減のための作業計画手法


小牧 真子(1651048)



農作業において,作業の軽減は重要な課題の一つであるとされている. これまでの作業軽減の手法として,農機具や農作業用パワースーツといった人間の労働者を補助する機械を導入することで作業の軽減を図ることが主であった. また,作業を軽減しつつも,作物の品質や,作業者の負担が考慮される必要がある. そこで,作業者の作業耐性と作物の品質といった制約下での作業時間を最小化する手法を提案する. また,作業そのものを効率化する手法として,必要な作業系列を抽出する手法を提案する. 1つ目の手法として,作物及び人的コストと作業者の作業耐性を制約とする 作業時間の最小化を行う目的関数を設定し,線形計画法を用いて最適な作業時間を出力する. また,2つ目の手法として複数の圃場データから作物の成長度合いに応じた農作業系列の抽出を行うための手法を考案した. この系列データの取得方法に関してはまず,実際の作業履歴データから系列データを抽出する. 異なる圃場データと圃場データから生成した部分系列データを編集距離を用いたクラスタリングを行い,クラスタの中で圃場データを最も多く含むクラスタから,作業負荷の小さい系列を1つ抽出する. その結果,これまでの一般的に知られている作業系列である作型よりも詳しくかつ,他の作業系列よりも労働負荷の少ない作業系列が得られた.また,抽出された作業系列は元の圃場データとの順位相関の結果より,他のクラスタの系列データよりも相関が高い結果が示された. また,実際の農作業従事者による評価より出力された系列の妥当性が確認された. 本発表では,主に提案手法2について述べる.