情報指向ネットワークにおけるパケット転送テーブルを利用したキャッシュ利用効率向上手法の提案

木村一統 (1651044)


インターネットの利用目的は、初期ではホスト間でのデータ送受であったが、 近年では音楽、画像、動画などのコンテンツ配信システムへと変化してきている。 また、 YouTube や動画配信サービスの普及に伴って、配信されるコンテンツの容 量も年々増加傾向にある。こういったインターネットの利用形態の変化に伴い、 よりコンテンツ配信に適したネットワーク技術として ICN(Information Centric Networking) の研究が盛んに行われている。 ICN ではネットワーク上に存在する ノードがコンテンツのキャッシュを持つことによって、サーバの位置に依存しな いネットワークを構築する。これによりレスポンス時間の短縮や負荷分散などの メリットが生じる。

本研究ではネットワーク上に存在するキャッシュをホップ数に従って効率良く 利用し、キャッシュヒット率を向上させることを目的とする。 本発表では先行研究で用いられた手法に加え、キャッシュの存在を示すテーブルの改良、 新たなパケットの定義を行った手法を提案する。 さらにこれらを実装しシミュレーション実験を行い評価を行った。 その結果、先行研究と比較してキャッシュヒット率、レスポンス時間を それぞれ 11.5% 、 22.3% 向上させることが可能となった。