深層学習による俳句の自動生成
太田瑶子(1651023)
文学の一つとして詩がある.詩とは自然の風物や人間生活での心の動きをリズムのある言語形式で表現したものである.それは言葉の表面的な意味だけでなく,言葉が持つ美学的・喚起的な性質を用いて表現される.その場の上手く言い表しきれないような微妙な心情や情景は,長々しく文を綴って記録することも出来る.しかし,詩は短い文字列であっても,詩として表現する事で,言葉の持つ奥深さによってその場の雰囲気を封じ込めることが出来る.
詩の作り方や鑑賞方法は義務教育課程の授業で習う.しかし,実際にいざ詩を作ろうとすると,どのように始めれば良いのか難しい.
そのような場合であっても,手軽に詩を作れるようにしたいと考えた.
本研究では,詩の中でも有季定型俳句を選び, 詠みたい内容の語や季語を入力することにより俳句の自動生成を行った.
先行研究では,ルールベースで俳句を生成しているものや,データ数を増やすために季語の有無は考慮していないデータを用いて深層学習で生成を試みた研究がある.
本研究ではより柔軟な表現ができるように,深層学習を使った.また,韻律や季語のような有季定型俳句の規定を素性や制限として用いた.