2×2 MIMO ワイヤレス給電システムにおける最大伝送効率の理論解析

氏原 樹 (1651019)


本研究では,2つの送電コイルと2つの受電コイルから構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)ワイヤレス給電システムにおいて,送電コイル間および受電コイル間の相互結合であるクロスカップリングが発生する状況下で電力伝送効率(RF-to-RF効率)を最大化する手法を提案する. 電力伝送効率は,ワイヤレス給電システムの設計および特性評価で最も重要なパラメータの1つである. しかしながら,MIMOワイヤレス給電システムにおける最大伝送効率を扱った研究はこれまでになく,その達成手法に関する知見は得られていなかった. よって本発表では,MIMOワイヤレス給電システムにおける最大伝送効率とその達成手法を理論解析から導出した結果について報告する. 電磁界シミュレーションにより,受電コイルに接続した負荷インピーダンスおよび送電コイルに流れる電流の最適化を行うことで,クロスカップリングを打ち消し,最大伝送効率を達成できることを明らかにした.