アイコンタクト実現のためのアンドロイドの眼球運動のキャリブレーションと視線生成

湯口彰重 (1551116)


コミュニケーションロボットとして様々な用途が期待されているアンドロイドは 人間に酷似した外観を持つ.人間に酷似した外観を持つロボットは,より高度なコ ミュニケーション能力を持っているように感じられる.またアンドロイドは,人間 のような装飾された眼球を動かして視線を生成することができる.視線はノンバー バルコミュニケーションにおいて重要な意味を持ち,特にアイコンタクトは高度な コミュニケーションを行う際に用いられる.ノンバーバルで高度なコミュニケー ションを期待され,かつ視線の生成が可能なアンドロイドはアイコンタクトの実現 が必要だと考えられる.そのために,アンドロイドの視線を任意の方向に正確に制 御する必要がある.しかし,アンドロイドは制御性が高くない空気圧アクチュエー タを用いていることや眼球部の瞳の正確な位置が不明確で,さらに一般的なアンド ロイドではサイズとスペースの制限からカメラのような外界計測可能なセンサが内 蔵されていないという問題があった.

゙本研究では,アンドロイドの眼球運動のキャリブレーション方法を提案 し,正確な視線の生成を実現する.まず,アンドロイドの眼球姿勢を運動学で算出 する頭部姿勢と外部のセンサから計測する視線方向対象をの姿勢の情報から間接的 に計測する.実験では,視線方向の間隔が 5 度の環境にて,人間の視線に近い視線 を生成することができた.