CT画像からの骨梁構造異方性の統計的予測における撮影解像度の影響
山中大幸 (1551113)
大腿骨近位部骨折における治療の際,大腿骨頭の骨密度や骨梁構造などの情報が重要になる.しかしながら,現在の臨床用CTではこれらの情報を正確に解析するのに解像度が不十分である.
一方,解像度の高いマイクロCTでは生体の撮影は行えない制約がある.そこで,臨床用CT画像とマイクロCT画像が組となっているデータベースから,教師あり学習により臨床用CT画像から骨梁構造異方性を予測する手法が提案されている.
従来法が学習データにex vivo臨床用CT画像を用いているのに対して,本研究ではin vivo臨床用CT画像からの骨梁構造異方性の予測を行う.
また,骨梁構造異方性の予測精度と撮影解像度の関係性及び,予測に必要な臨床用CT画像の撮影解像度の限界を確かめる.
これを検証するために,in vivo臨床用CT画像を用いた実験,ぼけのみを考慮したシミュレーション画像を用いた実験,ぼけとノイズを考慮したシミュレーション画像を用いた実験,非等方性の解像度を想定したシミュレーション画像を用いた実験を行った.
実験結果から,現状の臨床のルーチンで撮影されるin vivo臨床用CT画像からの予測は解像度が不十分であるため困難であることを示した.