オンラインジャッジ上のプログラミング学習者の成長分析
則行祐作(1551077)
本発表では,オンラインジャッジシステム(OJS)による効率的な学習のための知見を明らかにすることを目的に,既存のOJSの解答履歴を用いてプログラミング学習者の活動を分析した.
OJSは,プログラムの仕様や入出力例が書かれたプログラミング問題集を提供し,学習者は, OJS上の問題を自由に選択して解くことができる.
しかし,単にOJSを使用させるだけでは,プログラミング能力を自ら向上させられる学生は問題の選択によって,学習効果が充分に得られないという報告がある.
解決方針として,学習効果が充分に得られるように各学習者の能力に適した問題を提案するアプローチが挙げられ,その指標作りのために,成長した学習者と学習効果のあった問題を分析する必要がある.
具体的には,項目応答理論を用いて全問題の難易度,識別力推定を行い,学習者の学習段階毎の能力値を求めることで成長者を推定した.
成長者の解答履歴を系列パターンマイニングで分析することで,成長に繋がる解答履歴パターンを明らかにした.
また成長者のみに見られる解答履歴パターンから,学習効果の高い問題を抽出し,学習者にどのような問題を解くべきかという提案ができる可能性を示せた.