歩道を走行するパーソナルモビリティ搭乗者のための危険マップ生成システム
西川 直希 (1551072)
環境に配慮した新しい小型の移動体として多くのパーソナルモビリティが開発されている.その中でも,日常生活に密着した移動体である,歩道を走行するパーソナルモビリティが注目されている.しかし,パーソナルモビリティが走行する歩道には,転倒事故の要因となる段差,接触事故の要因となる歩行者や自転車の飛び出しなどの事故の原因となる危険箇所が多く存在している.従来,路面の整備や転倒事故の可能性が高い場所を特定することを目的として,歩道に存在する段差などの路面状況を計測する研究が多く行われているものの,危険要因の対象は静的な事象に限定されている.本研究では,歩行者や自転車といった動的な危険要因を含めた,歩道上で起こりうる主な事故の要因となる危険箇所を検出し,それらの危険箇所を地図に表示することでユーザに危険な場所を事前に知らせることができる危険マップ生成システムの提案と開発を行う.本提案手法では,スマートフォンを搭載した複数の異なる種類のパーソナルモビリティで歩道を走行し,スマートフォン内のセンサから走行した歩道の危険箇所情報を収集する.次に,収集した危険箇所情報をもとに,歩道に存在する危険要因を特定し,その情報に基づいて危険マップを生成する.実験において,異なるプラットフォームにおける危険箇所検出,要因推定手法の検証を行い,生成された危険マップを示す.