距離センサアレイを用いた前腕形状計測に基づく手の動作認識

趙 崇貴 (1551062)


近年,表面筋電位を用いた手の動作認識の研究が盛んに行われ,電動義手や外骨格ロボットアシストへの直感的な操作を可能にする入力インタフェースや,ライフログやロボットハンドの設計における日常生活での把持動作の分類などの様々な分野への応用を実現している. しかし,表面筋電位に基づく手法では,筋肉の中でも深層に位置する筋肉の活動に関与する動作を認識することが難しい.

本研究では,前腕の形状変化情報の計測を可能な距離センサアレイを開発し,Support Vector Machine (SVM)を用いた前腕形状変化に基づく手の動作認識手法を提案する. 表層筋だけではなく深層筋,腱,骨などの様々な組織の運動情報が含まれる前腕の形状変化情報に着目することにより,深層筋の活動に関与する手の動作の認識を行う.

提案手法の有用性を検証するため,7種類の動作を対象とし認識実験を行なった. 前腕の回内・回外動作を含む全ての動作が正しく認識できたことから,本手法が深層筋の活動に関与する動作を含む手の動作を認識できることが示された.