球体ディスプレイのための映像表現に関する考察

佐藤 大夢 (1551049)


近年,従来の平面ディスプレイとは異なり,非平面の提示面を持つディスプレイが開発され,データの可視化やデジタルサイネージ,展示開発用途での活用が始まっている.一方で,従来の映像表現は基本的に平面ディスプレイでの提示を想定しているため,同様の手法を非平面ディスプレイに直接適用できるかは明らかにされていない.

そこで本研究では,非平面ディスプレイとして球体ディスプレイ,映像表現として映像内の2層の間に生じる奥行き差である浮遊感表現に焦点を当て,球体ディスプレイでの浮遊感表現における観察者の知覚について調査及び考察することを目的とする.球体ディスプレイの提示面上を異なる速度で回転する2つの映像を重畳表示することにより生じる運動視差を活用することで浮遊感表現を実現するとともに,その映像を見た観察者が知覚する浮遊感を定量評価する.

本発表では,本研究で行った被験者実験の詳細と,実験から得られた知見について述べる.