心位相自動検出を用いた心電図非同期下におけるReal-Time Cine-MRIの画質向上法の開発

孔惠子(1551041)


心臓MRIによる画像診断は虚血性心疾患等の評価方法として幅広く利用されており、中でも心電図同期を併用してレトロスペクティブに画像を再構成するCine-MRIは正確な心機能評価法の一つとして知られている。しかしながら、不整脈や息止めが不十分な患者ではアーチファクトによる画質劣化のため診断が困難になるという問題がある。これに対し、Real-Time Cine-MRIは、不整脈や息止め不良の影響を受けず、より正確な心機能評価が可能となる手法であるが、SNが低い等の画質の問題がある。本研究では、通常、心電図同期法を併用しないリアルタイムCine-MRIの画像列に対し、心位相を自動的に分類することで、同一の心位相間での加算平均処理等を可能とし、画質の向上を図ることを目的とする。心位相の自動分類法としては、心室内腔面積を利用した位相検出法および不整脈検出法を提案する。位相検出するためにはまず心室内腔の面積を計算し,極小値を求める.次に極小値を用いて心拍数や各心拍の心位相数を算出した.提案手法により,心位相を検出することができ,同一心位相間の加算平均を可能にした.また,不整脈のシミュレーションでは,不整脈を検出することができた.