散乱光を利用した間接計測に基づく物体の反射特性の推定

櫛田貴弘(1551039)


本研究の目的は,物体の反射特性を精密に計測することである.反射特性を精密に計測するには,光の入射方向と反射方向の無数の組み合わせについて計測する必要があるため,非常に手間がかかる.物体の反射特性を効率的に計測するために,従来より計測を多重化する方法や,鏡の反射を利用する方法などが提案されてきたが,高価な機材が必要であったり,計測可能な物体や形状がされるなどの問題があった.

そこで本研究では, 物体で反射した光の広がりを散乱媒体を通して間接的に観測することで, あらゆる方向への反射光の広がりを同時に観測する.この時観測される散乱光は,物体の反射特性を反映しており,散乱光を解析することにより物体の反射特性を推定することができる.反射特性の推定は,単一散乱による反射光の観測モデルを構築し,観測値との差を最小化する最適化問題を解くことにより行う.

シミュレーション及び実環境実験を行い,シミュレーション実験において提案 手法を用いて物体の反射特性を推定可能であることを確認した.