自動走行車の搭乗者が受けるストレスに関する個人差の分析

岡島知也 (1551024)


近年では自動車に加えて, シニアカー, 電動車椅子などを含むパーソナルモビリティの自動走行化が数多くみられるが, それらの研究の多くは移動効率・安全性に主眼が置かれたものである.将来的に自動走行車がその搭乗者から受け入れられるには, 安全性だけでなく搭乗者が知覚する快適性が重要である. しかし, 搭乗者が知覚する安全性・快適性は, 運転経験, 知識, 習慣, 性格や好み等の要因によって搭乗者ごとに異なる. よって, 搭乗者ごとに最適な挙動制御を行うように自動走行システムのパーソナライズを行う必要がある. しかしこのような自動走行システムのパーソナライズに関する研究事例はまだ少なく, また搭乗者の快適性を損なうストレス要因によって,搭乗者が受けるストレスにどのような個人差が生じるかについての検証も十分に行われていない.

本研究では, 生理指標(心拍・発汗)を用いて搭乗者のストレスを計測し,複数のストレス要因から搭乗者が受けるストレスの個人差を分析することで,ストレス要因に対する感受性により搭乗者を分類することを試みる.実際に車椅子ロボットを用いた実験データから得たストレスの特徴を調査し,搭乗者のクラスタリングを行った.