本論文では,まず,1台のロボットの誘導問題を対象とし,ロボットに実装するコントローラと画像(照度場)を生成するコントローラの設計問題を定式化した. そして,シンプルなロボットコントローラが与えられたとき,誘導を達成する3種類の最適な画像生成コントローラを導出した. さらに,実験システムを開発し,提案手法の有効性を確認した. 最後に,発展問題として複数台のロボットの誘導制御問題に取り組んだ.
従来のナビゲーション手法では,ロボットの位置情報を各種センサ(カメラやGPS)を用いて取得し,その情報をもとに目標位置に到達させる制御入力を決定する. そのため,正確な位置情報の取得が鍵となる. これに対して,本論文の提案システムではロボット制御において位置情報を必要としない. さらに,ロボットに搭載するセンサは,照度情報(たとえば0,1)を取得できる光センサのみでよいので,システムの低コスト化や単純化に貢献する.