日常生活における手の動作を記録するウェアラブルデバイスの開発

伊藤 淳 (1551011)


人間の手は外界に対しインタラクションする上で重要な役割を果たす運動器官であり,複雑な骨格や腱,筋肉,皮膚の構造から,様々な動きを実現することができる. 手が行う運動の中で重要な役割として物を掴む把持動作があり,日常生活における各動作の種類や頻度,持続時間を分析することは,ロボットハンドや義手の開発,理学療法などのリハビリテーションへの活用が期待される. これまでの研究ではカメラによる分析は盛んに行われてきたが,手の形状や筋力といった情報を用いた把持動作の分析が必要となる.

本研究では,日常生活における手の動作をより詳細に分析するために,手の関節角度と筋電位を同時に記録可能な前腕に装着するウェアラブルデバイスを開発する. 手の動作はハンドジェスチャーインタフェースであるLeap motionとMyo gesture control armbandを統合し,物体把持による影響や,日常生活における手の運動を妨げる事無く計測を行う. 記録された関節角度と筋電位のデータから、把持動作の認識を行う。実験では,6種類の把持動作を対象として、データを記録し、把持認識を行った。全ての動作に対して認識率が平均87.4%であり、ほかの手法より高い認識率が得られ,提案システムの有用性を確認した.