そこで本研究では,ガウス過程に基づいた対象動作と非対象動作との判別性を有する確率的な動作意図予測器の設計手法を提案する. 具体的には,センサ入力から動作意図予測を行うガウス過程モデルとして考え,対象動作と非対象動作について判別的な潜在特徴空間を中間層に持つ階層ガウス過程モデルを提案する. これにより,非対象動作に対する誤った予測を回避した動作意図予測が期待できる.
本研究では,人の日常生活における基本動作の1つである椅子からの起立動作を対象として,筋電位信号などのセンサデータから,起立動作中の臀部が椅子の座面から離床する瞬間を予測する問題を考える. さらに,提案手法による動作意図推定器を実装した電動座椅子型ロボットにより実機実験を実施した. 実験の結果,提案手法の有効性を確認し,起立支援効果があることを示した.