運転者の走行能力に基づいたサイクリング経路検索システム
森下 慈也 (1451112)
本研究では,自転車経路検索の際に,距離や時間といった条件に加えて,運転者の走行能力に基づいて,運転者が所望する平均速度で走行可能な経路を推薦するシステムを提案する.本システムでは,Stravaを使用してサイクリングを記録している運転者が,
サイクリングを行う前に,あらかじめ経路を設定する場合を想定している.
運転者の走行能力に基づいて,
経路を推薦するためにStravaに蓄積された,
APIで取得可能な経路に対する運転者の走行結果を用いて,
運転者をいくつかのタイプにモデル化する.
運転者をモデル化するために,運転者の平均走行速度を入力として,
機械学習によってクラスタリングし,いくつかのタイプに分類する.
説明変数を,現在の走行距離,勾配,標高それぞれの時系列データ,
目的変数を,走行速度の時系列データとして,
分類したタイプごとに機械学習を行い予測モデルを作成した.
作成した各モデルの決定係数$R^2$の平均は0.83088となり,
よい精度が得られているといえる.
作成した予測モデルを利用して,
運転者が所望の平均速度で走行可能な経路を推薦するシステムを作成した.
運転者は本システムに入力として,現在位置の座標,探索半径,
所望の平均走行速度,過去の走行データを与える.
システムは与えられたデータから予測を行い,
現在位置の座標を中心とし,探索半径を半径として,
運転者が所望の平均走行速度で走行可能な経路を探索し,
該当する経路があればそれを推薦する.
推薦経路の経路の勾配や標高の平均や分散から,
その経路が運転者にとって走行しやすいものかを評価する.