従来の研究では,多様な移乗支援ロボットが開発されており,ヒトを抱き上げ,ベッドと車椅子間の移乗を実現した. しかし,移乗において被介護者の個人に対応した介助動作を自動的に生成するのが未だ困難であった.
本発表では,被介護者からの快適度をロボットにフィードバックし,ベイズ最適化を用いて快適な介助動作を自動的に生成する枠組みを提案する.
提案手法の有効性の検証のために,介助動作の1つである抱き上げ中の姿勢調整タスクを扱い,簡易抱き上げ動作検証装置を用いマネキン人形に対して力情報に基づく実験と快適度フィードバックに基づく被験者実験を行った.
マネキン人形に対する実験の結果,評価関数を最適化する方策パラメータが学習された. 被験者実験の結果,各被験者の快適度に応じた方策パラメータが学習され,ヒトに対しても提案する枠組みの有効性を確認した. さらに実験時に計測したセンサデータから快適度に起因する力学的要素に個人差が見られた.