SDN技術を用いた無線メッシュネットワークにおけるパケットロス低減のためのAP主導型フロー集約手法

田川 真樹 (1451066)


本研究ではSDN技術を用いることで複数チャネルを全ホップで同時利用可能になった無線メッシュネットワークにおいて,全チャネルを有効利用することでネットワーク容量を最大化することを目的とする.既存研究ではネットワークの負荷を複数チャネルに対して分散する平滑化手法が提案されている.しかしこの手法では各チャネルにおいて収容可能な新規フローの帯域が小さくなり,新規フローをどのチャネルに割り当ててもパケットロスが発生してしまう問題がある.一方で,フローが流れる一部のチャネルに対して負荷が集中すると,フローの送信レートが増加したときに無線リンクが飽和してしまい,パケットロスが発生する可能性が増加する.そこで本研究では新規フロー到着時に残余帯域が最大となるチャネルを使ってフローを転送し,さらに残余帯域が最大となるチャネルを作り出すようにフローを集約することで,新規フロー到着時のパケットロスを最小化する手法を提案する.さらにその後の転送においてフローの送信レートの増加に起因する無線リンクの飽和に注目し,アクセスポイントがこれを検知することで飽和の回避を行う手法を提案する.この手法を実環境で評価し,提案手法は新規フロー到着時のパケットロスだけではなく,送信レートの変動に起因するパケットロスの双方を避けて,ネットワーク容量を最大化できることを示す.