拡張現実感のための SE3 補間を用いた ローリングシャッターカメラの位置・姿勢推定
瀬戸将志 (1451061)
本論文ではローリングシャッターカメラによって取得された画像に対するカメ ラ位置・姿勢推定手法を提案する.拡張現実感 (AR) においてローリングシャッ ターカメラを用いた場合には,ローリングシャッター歪により,推定されるカメラ 位置・姿勢推定精度の低下や合成結果画像の品質低下といった問題が生じる.こ れらの問題を解決するためには,ローリングシャッターカメラが各フレームを取 得する間のカメラの位置・姿勢変化を推定する必要がある.従来より,各フレー ムが取得される間のカメラ位置・姿勢変化を推定するために,各フレームの代表 店におけるカメラ位置・姿勢を推定し,その間の位置・姿勢を独立的に補間するこ とで求めていた.本研究では,回転と並進を SE3 上で補間することで,1 フレー ムが取得される間のカメラの位置・姿勢変化を推定する手法を提案する.また, 提案手法の推定のロバスト性についてシミュレーション環境において対応点数を 変化させた場合と対応点にノイズを加えた場合で評価した.そして,従来手法と 提案手法のカメラ軌道に対する推定精度をシミュレーション環境及び実環境にお いて比較した.一方でモーションキャプチャシステムを用いて,実際の AR の利 用シーンにおける端末の動きを測定し,AR の利用シーンにおけるカメラ軌道を 分析した.この分析結果より,提案手法と従来手法の AR の利用シーンにおける 有用性を比較した.