OSS開発におけるテストコード管理とソフトウェア品質の分析
坂口英司 (1351046)
本論文の目的は,テストコードの管理状況とソフトェアの品質との関係を明らかにすることである.
オープンソースソフトウェア(OSS)開発における品質保証活動では,テスト活動よりもリリース後の欠陥修正活動を中心に行う傾向がある.
OSS開発におけるテスト活動が活発でない原因としては,テスト支援ツールを利用するための資金が少ないことやテスト活動に興味をもつ開発者が少数であることが挙げられる.
しかしながら,テスト活動を行わないと欠陥の検出が遅れ,結果的に開発コストの増大につながる恐れがある.
より品質の高いOSSを開発するためには,限られた人的資源でテストコードを作成・保守し,効率的に欠陥を検出する必要がある.
本論文では,テストコードの保守形態とソフトウェア品質との関係を明らかにするために,%
ソフトウェアの開発履歴からテストコードの生存期間およびテストコードとプロダクトコードとの共進化の度合いを計測して管理形態を明らかにし,
ソフトウェアとの品質(テスト対象プロダクトコードに混入した欠陥の数)との関係を示す.
分析結果として,生存期間が短くプロダクトコードとの共進化の度合いが高いテストコードをもつプロダクトコードには,より多くの欠陥が混入していることがわかった.