位相的指標を用いた手形状認識によるロボットハンド姿勢生成
吉本 公則 (1351111)
近年,ロボットハンドを用いた遠隔操作への期待が高まっている.
遠隔操作において操作者の手形状とロボットハンドの形状が異なる場合,
単に動作をマッピングするだけでなく,手形状の持つ意味の違いを伝達する必要がある.
そこで本研究では,手形状が持つ意図の理解による遠隔操作におけるロボットハンドの姿勢生成を目的とする.
把持動作における手形状は,把持対象物の形状と密接な関係性がある.
そのため,手形状を認識することにより把持の種類を推定し,操作意図の理解が可能であると考えられる.
手形状の認識を行うにあたり,手を線分集合により表現し,
線分集合同士の空間的な相対関係の評価を可能とするGauss Linking Integralを用いることで,
個人差に依存しない,手形状の認識手法を提案する.
また,ロボットハンドにおいて対象とする姿勢をキーポーズとし,
Gauss Linking Integralにより算出される指同士の位相的な関係性を利用した
ロボットハンドの姿勢生成手法についても述べる.
最後に,手形状認識実験において従来手法との比較を行い,
姿勢生成実験により本提案手法の有用性を検証した.
手形状認識実験の結果,従来手法と比較し高い認識結果を得ることができた.
また,手形状の認識に基づく姿勢生成実験の結果,
提案手法を用いることで与えられた手の姿勢を模した姿勢が
生成可能であることを確認した.