開発履歴を用いたメソッドコンフリクト分析
湯月 亮平 (1351110)
複数の開発者による並行開発は近年大規模化が進むソフトウェア開発において一般的な活動となっている.
ブランチによって開発ラインを分岐させることで,他の開発者の影響を受けずに開発作業を行うことが可能となり,
作業が完了した後に分岐した開発ラインをマージすることで各開発者の成果を統合することができる.
しかし,各開発者の成果物をマージする際,コンフリクトが発生してしまうという問題があり,コンフリクトの解消には時間とコストがかかる.
コンフリクト解消のための適切な手法を議論する上で,コンフリクト解消の実態を知ることが必要となるが,
実際のコンフリクトに対して具体的にどのような変更を施して解消したのかは明らかにされていない.
本研究では,メソッドレベルでのコンフリクトの原因や解消を特定するための手法を提案し,10個のオープンソースソフトウェアを用いて大規模に調査した.
本発表では,開発履歴を用いたコンフリクト調査のための手法,実際にオープンソースソフトウェアプロジェクトに対して提案手法を適用し得られた結果,そこから得られた知見と課題について説明する.