NIRSを用いた脳活動計測による認知トレーニングの客観的評価

蓑田 由花里 (1351105)


社会的コミュニケーション能力は日常生活において重要である.社会的コミュニケーションスキルを向上させるトレーニング手法としてソーシャルスキルトレーニング(SST)の有効性が確認されているが,トレーニング前後での客観的な評価手法が確立されていない.先行研究では,コミュニケーション能力困難児の感情認識課題中の脳活動は健常児に比べて低いことが確認されている.また,自閉スペクトラム症児に対するSST介入の結果一時的に脳活動が改善したとの報告がある. 本研究では近赤外線脳血流計測装置(NIRS)を使用した脳活動計測により認知トレーニング介入前後の脳活動を調査し,トレーニングの客観的評価手法の確立を目的とする.本発表では,iPadアプリケーション,NOCOA+を用いたトレーニング前後の認知課題において被験者の脳血流を計測し,自閉症スペクトラム指数(AQ)を用いた脳活動と認知課題の関連性と,認知トレーニング介入前後における脳活動の変化について報告する.結果として,トレーニング前後で一部の認知課題中の脳活動に改善が見られた.