自由視点画像を事例として用いた画像の高解像度化

林佑亮(1351089)


近年,映像表示デバイスの高精細化に伴い,映像・画像コンテンツの高解像度 化技術に対する需要が高まっている.画像の高解像度化手法の一つとして,高解 像な参照画像を用い低解像度画像の高画質化を実現する「事例参照型超解像」手 法が研究されている.この手法では,高解像度化の効果が入力した参照画像に依 存するため,適切な参照画像データベースを構築する必要がある.これに対して, Web 上等に存在している同一シーンを撮影した画像から参照画像データベースを 自動で構築し,高解像度化する手法が提案されている.しかし,従来手法では高 解像度化処理における参照画像と低解像度画像の位置合わせを単一の射影変換行 列を用いて行っており,撮影位置が対象画像と参照画像で異なる場合や,撮影対 象が平面的でない場合には,高品位に画像を高解像度化することは難しい.

本発表では動画像の各フレームやWeb上の静止画像等 の同一シーンを撮影した画像群を入力とし,シーンの三次元復元とカメラの位置 姿勢推定に基づく自由視点画像生成を行うことで,従来手法と比較して参照画像 の撮影位置や撮影対象の形状の制約が少ない,画像の高解像度化手法を提案する. 実験では,様々なシーンで撮影した低解 像度動画像に対して提案手法を用いた高解像度化処理を行い,従来手法との定量 的な比較および主観評価実験を行うことで提案手法の有効性を確認した.