遠隔操作型ロボットハンドのための触覚情報に基づく器用さ支援方策の強化学習

長谷川嵩大 (1351087)


ヒトがロボットハンドを操作して特定のタスクを実行する際,タスクの達成のために,操作するロボットハンド周辺の環境情報を必要とする.

この環境情報が欠如していた場合,タスク達成に必要な動作に過不足が発生し,タスクが達成できない可能性がある.

この問題に対して,ヒトからの指令値を,環境情報を用いて補正するShared Controlという手法を用いた研究がなされている.しかしながら,従来の研究では,取り扱う問題や環境のモデル化を行い,パラメータを解析的または実験的に決定する必要があり,モデル化誤差などの課題があった.

そこで本研究では,強化学習の枠組みを用いてパラメータを自律的に設計する枠組みを提案する. 提案手法の有効性の確認のために,ページめくりタスクを再現した物理シミュレーションを作成し,方策の学習とヒトによるページめくり実験を行った.

学習の結果,期待報酬が上昇する様なパラメータが学習された. このパラメータを用いて,ヒトによるページめくり実験を行った結果,ページめくりの支援によるタスク達成度の上昇が確認された. ヒトがシステムに含まれるShared Controlの利点を生かして,多様なページめくり動作についても学習された方策が有効に機能することを確認した.