高齢者の健康維持を目的とした対話エージェントによる包括的生活行動センシング
永井 洋介 (1351073)
現在,高齢化により,要介護となりうる高齢者の人口増加が問題となっており, 被介護者となることを予防するには生活習慣を改善することが解決法の 1 つであ る. 適切な生活習慣の改善のためには,高齢者の生活行動を包括的に記録するこ とが有効な手段であるが,高齢化が進む集落では既存のウェアラブルセンサや環 境センサなど高価な装置の導入は困難である.本発表では, 従来装着センサなど で計測される GPS や加速度データのみならず,ロボットなどとの対話により,外 出や食事に関する包括的な生活行動センシング方法を提案する. これにより,外 出行動では目的や詳細な動作内容を,食事行動では食事内容や作った人などの高 次な情報を収集できるため,適切な生活改善内容の決定や医師との問診の助けと して利用可能となる.十津川村の村民 5 名を対象とした実験から本提案手法が, 村民各人の外出目的や知り合いとの関わり,食事内容や美味しさなどを観測でき, 各人が抱える社会問題や食事問題を解決できることを示す.特に,村民 4 名への アンケート調査から,提案手法は,村民がキャラクタエージェントに親しみを持っ て接し,一種の信頼関係が生まれることを示す.