対話システムに基づく嘘検出に関する研究

角森 唯子 (1351070)


人間が嘘を見破るための技術として,嘘の特徴を見分けることと,嘘の特徴を引き出す質問を行うことが挙げられる. 従来研究として,嘘の特徴を見分けるために,機械学習を用いた嘘の自動検出が行われている. 本論文では,もう一つの技術に焦点を当て,嘘の特徴を効率的に引き出せる質問の分析について行い,嘘を検出する対話システムを構築する. まず,日本語の嘘を含むコーパスの収集を行い,同様の収録条件で収集された英語のコーパスを用いて,嘘の検出実験の比較分析を行った. その結果,チャンスレートに対して有意な差が確認でき,嘘検出には言語特徴量よりも音響特徴量が日英ともに有効であることが分かった. さらに,嘘検出率の高かった質問についての分析を行い,確認タイプの質問が最も有効であることを確認した. これらの分析をもとに,HMMで質問者の発話の流れを学習し,対話制御のためのルールを作成し,対話システムを構築した. 構築したシステムに対して評価実験を行い,有効性を確認した.