最も素朴なアシストとして, 人間の力の瞬時値を計測し, その値に比例した補助力 を機械で発生させるものがある. しかし, 人の継続して行う動作には周期性があ ることが知られており, このようなアシストでは周期的な発生力の脈動を増幅さ せ, 高いエネルギ効率は得られないと考えられる.
これを踏まえ, 先行研究では人 の動作の周期性に着目したパワーアシスト制御手法が提案され, 人の力の周期が 大きく変動しないと仮定した実機実験でその効果が確認された. 先行研究における課題として, 周波数が大きく変動する実際の人の動作への適 用が挙げられる. この課題に対し, 本研究では周波数が変動する人の発生力を推 定し, 脈動する成分を抽出して相殺する手法をアシスト制御へ応用することを提 案する. 本発表ではそれら手法を電動アシスト自転車へ適用し, 数値シミュレー ションと実機実験を行った結果について述べる. また, より高精度な人の発生力 推定への検討を行った結果について述べる.