線分の直線性および画像間の対応点を考慮した画像変形に基づく自由視点画像における歪みの抑制
篠本 渉 (1351050)
自由視点画像生成は,テレプレゼンスなどのアプリケーションにおいて,カメラで撮影された視点以外の任意視点からの画像をユーザに提示し,高い臨場感を与えることができるため近年注目を集めている.
これを実現する一手法として,撮影した画像群から対象となるシーンをあらかじめ三次元復元した上で,仮想視点に依存した適切なテクスチャを選択的に用いる視点依存テクスチャマッピング (VDTM) を行う手法が有名であるが,三次元復元の精度が低い場合に生成画像に歪みが生じるという問題がある.
一方,三次元復元を用いず,画像中の線分の直線性が保たれるように入力画像をワーピングすることで歪みの少ない自由視点画像を生成する手法が近年提案されているが,視差により画像上での前景と背景の位置関係が変わるような状況には対応できず,設定する視点位置は入力画像のものと十分近くなければならない.
本発表では,これらの問題を解決し,入力画像の視点位置から大きく離れた視点位置においても歪みのない自由視点画像を生成することを目的として,三次元形状を用いるVDTMと画像のワーピング手法の組み合わせに基づく自由視点画像生成手法について提案する.
具体的には,入力画像中の線分の直線性およびVDTMによりマッピングされた複数画像間の切り替わり位置におけるテクスチャの連続性を考慮した画像変形により,自由視点画像に生じる歪みを抑制する.
実験では,屋外環境を対象とした自由視点画像を生成し,従来手法と定性的に比較することで提案手法の有用性を示す.