グラフ処理向けアクセラレータの提案と評価
紅林修斗 (1351039)
近年需要が高まっているグラフ処理は不規則な制御フローやメモリアクセスパターンを持つため,従来の画像処理などのアプリケーションと比較して並列化による高速化が困難である.本発表ではグラフ処理を効率的に実行する機構を備えた新しいアクセラレータを提案する.まず既存プラットホームの問題点を解析するためにマルチコアCPUとGPUに代表的なグラフ処理である最短経路探索を実装し評価した.その結果,入力グラフによって抽出できる並列性が大きく異なる,メモリアクセスパターンが不規則なためキャッシュメモリの効果を得られない,排他制御の影響で並列数のスケーラビリティが悪い等の問題点が明らかとなった.プログラム可能なメモリアクセス機構とCGRAを組み合わせた提案アクセラレータは,200MHzと低い動作周波数でありながら,2.4GHzで動作するCPUと比較して平均1.4倍の性能向上を達成した.