アンドロイドロボットの働きかけが人間の作業パフォーマンスに与える影響
大津 淳 (1351019)
近年のロボット技術の進展によって,ロボットは人間とインタラクションしな がらサービスを提供することが期待されてきている.特に,人間と酷似した外観・ 動作を持つアンドロイドロボットは人とインタラクションしてサービスを提供す る用途での活用が盛んになってきている.しかしながら,アンドロイドロボット と人間のインタラクションの時に,アンドロイドロボットの存在,動作,発話等 が人間の作業パフォーマンスに与える影響は明らかになっていない. そこで本研究では,アナグラム課題とモジュラー課題を行う人間の前にアンドロ イドロボットを設置し,動作や声によって働きかける.これによって作業パフォー マンスが変化する社会的促進と内発的動機づけが起こるかを明らかにすることを 目的とする.働きかけの条件としては,「アンドロイド無し条件」,「アンドロイド 静止条件」,「アンドロイド・頷き条件」,「アンドロイド・首振り・否定条件」,「ア ンドロイド・頷き・肯定条件」の 5 条件を用意する.その時の,各問題への回答 時間,正解率,延長回答数を取得し,実験の後に,アンケートによりアンドロイ ドロボットの働きかけに対する印象と各課題の難易度に対する印象の 2 つを取得 する. アナグラム課題とモジュラー課題共に,回答時間,正解率,延長回数に対して 分散分析を行った結果有意差は見られなかった.しかし,延長回数は「アンドロ イド・頷き条件」と「アンドロイド・頷き・肯定条件」の 2 条件で他の 3 条件よりも多くなる傾向が見られた.このことから,アンドロイドが作業中の人間に肯 定的な働きを行うことで,モチベーションが向上することが示唆される. アンケートの結果、アンドロイドが肯定的な働きかけを行ったときに評価が高 かった。