Supertagを利用した遷移型依存構造解析

大内 啓樹 (1351014)


依存構造解析において,単語の表層形や品詞タグなどの語彙情報は,曖昧な依存関係を解消するための重要な手がかりとなる.しかし,そのような依存構造の解析にそれらを特徴量として利用する場合,表層形は粒度が非常に細かく,品詞タグは荒すぎるといった問題がある.近年,それらの中間の粒度の語彙情報として,詳細な統語情報を表現可能な語彙テンプレートであるSupertagが依存構造解析に利用されている.既存研究では,一つのSupertagを各単語に付与し利用することで,その自動付与の誤りが依存構造解析に伝搬し,悪影響を及ぼしていた.このような誤り伝搬を避けるため,本発表では複数のSupertagを利用し,依存構造解析と同時にSupertagの曖昧性解消を行う手法について論じる.